エレペットアドバンス
三菱「エレペットアドバンス」は、三菱が1979年(昭和54年)に発売した規格形エレベータの商標です。
1961年のエレペット発売から18年間、マイナーチェンジは行われていたものの商品名はエレペットのままでした。
1979年、制御系から意匠まで大幅に刷新し、「エレペットアドバンス」として発売されました。
主な変更点は以下の通りです。
マイコン制御になったことで、いたずら呼びキャンセル機能や、不具合時の救出運転、戸開困難時に他階へ運転する機能などが標準搭載されています。
一般的なエレペットアドバンス


乗場操作盤は、インジケーターの配置はそのままに数字書体が細いゴシック体へ変更されています。
外観からは分かりませんが、従来の電球式からネオン管になっています。

ボタン枠はなくなり、従来の配色が反転します。押し心地は従来に比べ浅くなっています。
ボタン、フェースプレートともに濃い灰色で統一されています。

後期型エレペットで独立分割された銘板は再度一体化されましただけでなく、操作盤スイッチボックスの蓋も下部まで一体となり洗練されています。


積載超過ブザー、禁煙について簡潔に表記されています。
予めメーカーの管理ステッカーを貼る場所が設けられています。


管制運転等の有償付加装置がある場合には、ロゴの下に表記されます。
操作盤蓋の表記は若干の文言変更の他、ドアが自動で開閉する旨の文章が削除されました。

かご内インジケーターは若干の変更はあるものの、エレペット後期型デザインを踏襲しています。

換気扇にシロッコファンを採用したことにより、ルーバーがスリムになりました。
左右に直管蛍光灯という配置をやめ、FCL20型蛍光灯が中央に4つ配置されています。

敷居が細くなりました。乗場ドアインターロックの改良によりドアが薄型になっているためです。
エレペットアドバンス以降のインターロックと敷居幅は、オーダー型を除いて現在まで使用されています。
有償付加仕様

幕板インジケータータイプの乗場です。

この形状のインジケーターは従来から存在していましたが、書体が丸ゴシックからゴシック体へ変更されました。


車椅子用操作盤のレイアウトは従来品を踏襲していますが、上下の角がとれ丸みを帯びています。


全照明型天井

オプションの管制運転が搭載されている場合は操作盤上に表示窓が設置されますが、
何らかの2つ以上の表示が必要な場合は、ドア上インジケーターに表示が追加されます。

「METAS(故障自動通報装置・システム)」以外にも「MELD(停電時自動着床装置)」の表示が埋め込まれていることもあります。
参考文献
- 新しい規格形エレベーター《エレペットアドバンス》,三菱電機技報,54巻4号,1980
おまけ:前期型と後期型
外見では判別できませんが、エレペットアドバンスには前期型と後期型が存在するようです。
機種(制御名)としても異なっており、機械室から聞こえる制御盤の音で判別できます。
前期型は後期型エレペットに近い音なことが特徴です。推測ですが製造途中でブレーキや電動機回路に使用するリレー等に何らかの変更があったのではないかと思います。