エレペット(中期)

中期エレペット
三菱「エレペット」は、三菱が1961年(昭和36年)に発売した規格形エレベータの商標です。
「エレペット」は、1979年(昭和54年)に後継の「エレペットアドバンス」が発売されるまで長期間使用されており、その間に何度もモデルチェンジをしています。 そのため、製造初期と末期の頃ではほぼ別のエレベーターといっても過言ではないほど変化しており、変化の大きかった2回のモデルチェンジを目安に、マニアの間では主に3つの区分けをしています。

乗場
1970年には意匠や積載量の変更、住宅用を加えた新形エレペット(中期エレペット)が発売されました。
主な変更点は下記の通りです。

(1)定員積載の増加(従来:750Kg11人まで→1000Kg15人)
(2)住宅向けエレベーターをエレペットに統一(エレペットR形)、トランク付きを選択可能
(3)意匠の刷新、バリエーションの大幅な追加
(4)オーダー仕様だった直流ギヤード式(機種名:DC-GD)を標準で選択可能
(5)1972年より交流帰還速度制御(ダイヤグライド方式エレペット、機種名:ACEE)の追加

参考文献:『新形エレペット (エレベータ(特集))』掲載誌 三菱電機技報 44(8) 1970.08 pp.1038~1041

    一般的な中期エレペット

    形  式:P-6-2S
    定  員:6名
    積載荷重:400kg
    制御方式:AC2

    乗場インジケータと呼釦

    中期の乗場は初期型の末期(過渡期)と同じ意匠です。
    外見からは初期か中期か判別することはできません。

    操作盤

    かご内操作盤は初期に比べかなり洗練されたデザインになりました。
    大きな変化として、いままで2つに分割されていた操作盤が一枚続きになりました。
    銘板に面影を感じますが、「非常呼」ボタンが受話器と「インターホン」の表記になるなど、近代化、機能的になっています。

    行先階釦三菱エレペットの銘板

    ボタンは大きくなり、細い丸ゴシックからゴシック体に変更され、見やすくなりました。
    「三菱エレペット」の銘板に変化はありません。

    かご内インジケータ天井

    過渡期とインジケータは共通です。
    換気扇の横には停電灯が見えます。

    操作盤の蓋操作盤の中

    使用方法の記載は操作盤の蓋に移されました。

    敷居

    敷居のロゴは、当時エレベーター以外でも使用していた一般的なアルファベットロゴに統一されました。

    エレペットR形(住宅規格形エレベータ)

    形  式:R-6-2S
    定  員:6名
    積載荷重:450kg
    制御方式:AC2

    中期エレペット
    住宅用エレベーター「エレペットR形」も発売されました。

    乗場乗場操作盤

    乗場の三方枠が戸袋や操作盤と一体になっているのが特徴です。
    ただしエントランスがある1階などは一般的な三方枠になっていることもあります。

    かご内照明敷居

    かご内の照明は間接照明になっています。
    三方枠とドア枠も一体になっているため、乗場側の敷居の幅が広くなっています。

    ダイヤグライド方式エレペットの機械室

    ダイヤグライド方式エレペットの機械室
    1972年からは、交流帰還制御の「ダイヤグライド方式エレペット」が発売されました。
    意匠は交流二段制御のエレペットと同じです。この意匠を大幅に刷新したものが後期エレペットになります。

    巻上機
    運行速度をフィードバックするタコジェネレーターが追加されているのが特徴です。

    制御盤据付時の調整手順

    制御盤です。左下に速度制御用の基板があります。
    制御盤扉の内側には据付時の調整手順が貼られていました。

    銘板速度制御基板

    このエレペットは「ACEE-1A」、1975年3月製です。
    ACEE系には他にACEE、ACEE-1、-1B、-1C、-1D、-2A、-2B、-3が存在します。
    写真右は減速パターンを調整する基板と思われます。
    ※許可を得て安全に配慮し撮影しています。

    << 前のページに戻る