エレペット(後期)

後期エレペット
三菱「エレペット」は、三菱が1961年(昭和36年)に発売した規格形エレベータの商標です。
「エレペット」は、1979年(昭和54年)に後継の「エレペットアドバンス」が発売されるまで長期間使用されており、その間に何度もモデルチェンジをしています。 そのため、製造初期と末期の頃ではほぼ別のエレベーターといっても過言ではないほど変化しており、変化の大きかった2回のモデルチェンジを目安に、マニアの間では主に3つの区分けをしています。

三菱エレペットの変遷
1970年の「新形エレペット」、所謂「中期エレペット」発売から、1979年の「エレペットアドバンス」発売までの間に一度 マイナーチェンジがあったと考えられています。マイナーチェンジから「エレペットアドバンス」発売までのエレペットを「後期エレペット」と呼んでいます。
このマイナーチェンジ関する資料が存在しないか見つからない為、いつどのような変更があったのかは判っていません。
但し、中期エレペットと比較すると以下の変更があったと推察されています。

(1)意匠の変更
(2)交流二段・一段制御を廃止し交流帰還制御(ダイヤグライド方式エレペット、機種名:ACEE)に一本化?
(3)ドア機構、インターロック、係合装置の変更

後期エレペットの意匠は「エレペットシリーズ」としては「アドバンス」発売時に取って代わり終了しますが、 荷物用エレベーターとして2000年頃まで採用され続けた息の長いデザインです。今でも商業施設のバックヤード等で見ることができます。
(荷物用エレベーターはデザインが同じなだけで、エレペットシリーズではありません)

    一般的な後期エレペット

    乗場インジケータと呼釦

    中期の乗場とあまり変わっていないように見えますが、乗場操作盤のデザインが少し変わっています。
    書体はゴシック体になり、呼びボタンと方向灯が二等辺三角形の鏃形から正三角形になりました。
    操作盤の金属板も中期ではただの一枚板だったものが、少し手前に出っ張るようになっています。

    呼釦

    上下で青赤の色分けはなくなり、黒に統一されました。

    操作盤

    かご内操作盤の上部にあった銘板は独立分割されました。

    行先階釦銘板

    エレぺット独自のゴシック体から一般のゴシック体に変更されました。
    この時代はこの書体が流行ったようで他社でも採用されています。
    銘板には予めメーカーの管理ステッカーを貼る場所が設けられています。

    インターホンインターホン

    商品名の「三菱エレペット」のプレートは無くなり、インターホンの部分に「三菱エレベータ」と表記されるようになりました。
    孔子が2種類あり、左のものは比較的初期の後期型に多く、右のタイプは荷物用でも使用されていた為よく見かけます。

    かご内インジケーター

    かご内インジケーターはドアの幅いっぱいに広がりました。

    天井照明カバー

    換気扇のグリルと照明カバーが薄型になりました。

    操作盤の蓋

    中期では文字部分が凹んでいましたが、フラットになっています。

    敷居

    敷居に変化はありません。

    乗場ドアインターロックローラー

    ドアの係合装置にローラーを使用するようになりました。

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