黒ボタンの三菱エレベーター①<紹介編>

謎につつまれた黒いボタンの三菱エレベーター

黒ボタン
三菱初代規格形エレベーター「エレペット」は、1961年(昭和36年)に発売されました。
エレペットは白いボタンが一般的ですが、中には黒いボタンのエレペットのようなものが存在します。

愛知県名古屋市某ビル 1962年製(解体済み)

定  員:9名
積載荷重:600kg
制御方式:AC2
扉 形 式:2SR

乗場全景

インジケーターは全階ドア上に設置され、呼びボタンとは分離されています。
三方枠の左右は丸みを帯びています。

乗場インジケーター乗場呼びボタン

乗場インジケーターは日立製のデザインに酷似しています。左右には「自動」や「満員」を表示すると思われる表示灯があります。
呼びボタンも日立製「ビルエースD」等でよく使用されるものに瓜二つです。また、運転手付き運転と自動運転を切り替えるキースイッチが設けられています。
通常はかご操作盤内スイッチで切り替えることが多いので、乗場に設置されているのは珍しいと思います。

敷居

(当初、パーキングスイッチとしていましたが、パーキングスイッチではないとの指摘を頂きました。よく見ると「FAUT-ATT」になっています)

敷居

かごの敷居には「三菱エレベータ」の文字。

かご内操作盤

そして、かご内操作盤の押しボタンは「黒」。
この時代のエレベーターは行先のボタンを押しても点灯する仕組みのないものがよくみられました。
1960年代以前の日立やオーチスも黒いボタンを採用していましたが、三菱製で確認された黒ボタンは極めて少なくなっています。

かご内操作盤

戸閉ボタンはありませんが、一般のビルにもかかわらず運転手用ボタンが設置されています。

銘板銘板

「三菱エレペット」の銘板はなく、真ん中赤いスリーダイヤが掲げられた「MITSUBISHI ELEVATOR」の高級感のあるプレートになっています。
警報ベルや使用方法のプレートは標準的な初期エレペットで見かけるものと同一に見えますが、「非常止」の箇所のみ表記を隠した形跡があります。
これは、丸い「MITSUBISHI ELECTRIC CORPORATION」の蓋部分に設置されていた「非常止」ボタンを後年に撤去したと推察できます。
非常止スイッチやボタンの撤去はエレペットでも見受けられます。

非常電話

操作盤の下には非常電話があります。

天井

天井には停電灯と大きな換気扇があります。
照明は間接照明になっています。

天井

かごドアの上にはインジケーターがあります。

銘板

用途と定員積載の表示は操作盤付近ではなく、奥側の壁のやや上に取り付けられています。
「禁煙」プレートは、角が丸く英語併記になっています。

東京都某ビル 1962年製(制御更新済み)

乗場

同年代の特注型ですが、こちらはセンターオープン仕様、乗場インジケーターは呼びボタンの上側に分離して設置されています。

乗場インジケーター乗場呼びボタン

乗場インジケーターはかご内インジケーターの書体とほぼ同じです。「自動」ランプが灯っています。
操作盤は内外とも交換されていますが、交換前は愛知のものと同じだったのではないかと思います。

敷居

かごの敷居には「三菱エレベータ」の文字。真鍮製?なのか、茶色っぽくなっています。

天井間接照明

天井には停電灯と大きな換気扇があります。
照明は間接照明になっていますが、壁面の上部が湾曲してそのまま照明の隠し板になっており、特殊な構造になっています。
デザイン性と機能性に優れていながらもシンプルな構造です。

天井

かごドアの上にはインジケーターがあります。

天井

用途と定員積載の表示は操作盤付近ではなく、奥側の壁のやや上に取り付けられています。
「禁煙」プレートは、角が丸く英語併記になっています。

天井

かごドアには取っ手がついています。

これはエレペットなのか?

次のページでは、黒ボタンの真相を追求します。

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